健康的な食事による妊娠合併症リスクの軽減効果
4月20日、ジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、地中海料理には妊娠高血圧腎症(子癇前症)の発症リスクを軽減する効果があると発表した。
今回の研究では、妊娠中に地中海料理を摂取することにより、妊娠高血圧腎症(子癇前症)の発症リスクが20%以上減少することが確認された。
なお、研究論文は、「Journal of the American Heart Association」に掲載されている。
地中海式の食事が妊娠に与える影響
地中海料理では、野菜、果物、魚、ナッツ類、オリーブオイル、全粒穀物を多く用いる。赤身肉や加工肉、乳製品などの動物性食品は控えめで、魚の摂取量が多い。それゆえ、心血管疾患リスクを減少させるといわれる。
今回、研究チームは、「The Boston Birth Cohort study」(1999~2014年、女性8507人、平均年齢28歳、遺伝要因および環境因子と早産の関連)を用いて、地中海式の食事が妊娠に与える影響を検証した。
被験者に対して、出産後24時間から72時間以内に食生活に関するアンケート調査を行ったところ、妊娠期における健康的な食事は妊娠合併症リスクを軽減させることが認められた。
地中海式の食事は、血圧の降下、血中脂質の改善、将来的な心血管疾患リスクの軽減に効果があり、妊娠中に地中海式の食事を多く食べているほど、妊娠高血圧腎症(子癇前症)の発症リスクが低くなったという。
なお、妊娠前から慢性的に血圧が高かった女性は、高血圧の既往歴のない女性と比べて、妊娠高血圧腎症(子癇前症)の発症リスクが9倍であった。また、糖尿病や肥満の既往歴がある女性では、糖尿病や肥満の既往歴がない女性と比べて、妊娠高血圧腎症(子癇前症)の発症リスクが2倍になると報告された。
(画像はプレスリリースより)

JOHNS HOPKINS
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