子宮内膜圧縮による妊娠・出生率の改善効果とは
3月31日、アメリカの研究チームは、「Human Reproduction」にて、単一凍結融解正倍数性胚移植において、子宮内膜圧縮によって出生率は予測できないと発表した。
これまで、一部の先行研究では、単一凍結融解正倍数性胚移植の実施前に子宮内膜圧縮が起こると妊娠・出生率が改善すると報告されていた。しかしながら、今回、子宮内膜圧縮と出生率には関連性が認められなかったという。
単一凍結融解正倍数性胚移植サイクルにおける子宮内膜圧縮と出生率の関係性
研究チームは、2020年9月1日から2021年4月9日までの期間に実施された単一凍結融解正倍数性胚移植を受けた女性186人を対象に、単一凍結融解正倍数性胚移植サイクルにおける子宮内膜圧縮と出生率の関係性を検証した。
なお、今回、調査対象になった胚は全て被験者から採卵され、体外受精のプロトコールには自然周期や低刺激、調節卵巣刺激が含まれる。また、全ての胚に対して着床前診断(PGT-A)が行われ、胚盤胞まで成長した胚をガラス化冷却保存した。
子宮内膜が圧縮した女性群と子宮内膜が圧縮しなかった女性群を比較したところ、出生率における差異は認められなかった。あわせて、体外受精のプロトコールごとの出生率も近い数値となった。
今後、更なる研究の必要性があるとしつつも、現時点において、研究チームは、子宮内膜圧縮によって単一凍結融解正倍数性胚移植の出生率を予測することはできないと考える。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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