妊娠期における受動喫煙の危険性
1月24日、「NEWS MEDICAL」は、ボローニャ大学(イタリア)の研究を通じて、妊娠期におけるニコチンとその副産物の長期曝露により、子供の睡眠やストレス反応を司る脳領域に悪影響を及ぼすと報じた。
なお、研究論文は、2021年12月13日、「Scientific Reports」にて発表された。
生後初期のニコチン曝露による影響
研究チームは、マウスモデルを用いた動物モデル実験を行い、初期のニコチン曝露による影響を検証した。
妊娠中の母マウスに対して受動喫煙レベルのニコチンとその副産物を長期的に曝露したところ、誕生した子マウスは、成長に伴い、睡眠(レム睡眠とノンレム睡眠)の時間が著しく減少し、早朝覚醒が認められた。
また、大脳の海馬(記憶や空間学習能力に関与する脳器官)において、ストレスホルモン「グルココルチコイド受容体(グルココルチコイドレセプター)」の発現に変異が確認された。脳の発達中、海馬の構造はストレスに対して最も敏感である。
研究チームは、妊娠期におけるニコチンとその副産物の長期曝露は子供の脳に悪影響を及ぼし、睡眠、ストレスホルモンの発現およびバランスを変化させると結論付けた。
(画像はScientific Reportsより)

NEWS MEDICAL
https://www.news-medical.net/Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-021-03468-5