内分泌攪乱物質による悪影響
12月10日、ラトガース大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、妊娠期における内分泌攪乱物質を含有する美容製品やパーソナルケア製品の使用は、母体のホルモン量に影響を及ぼすと発表した。
特に、妊娠中におけるヘアケア製品の使用により、性ステロイドホルモンの減少につながると報告された。なお、研究論文は「Environmental Research」に掲載されている。
パーソナルケア製品の使用と性ステロイドホルモン量における関係性
美容製品やパーソナルケア製品には、フタル酸エステル、パラベン類、フェノール類をはじめ、幅広い内分泌攪乱物質が含まれている。内分泌攪乱物質は、体内の正常なホルモン作用を攪乱し、機能を変化させるといわれる。特に、妊娠期はその影響を受けやすい。
今回、研究チームは、コホート調査「Puerto Rico PROTECT Cohort」のうち妊婦1070人(18~40歳)を対象に、パーソナルケア製品の使用と性ステロイドホルモン量における関係性を検証した。
被験者には妊娠中に採血を2回実施し、採血した血液中の性ステロイドホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、甲状腺ホルモン)を測定した。
あわせて、問診票を通じて、職業、ライフスタイル、パーソナルケア製品(フレグランス、ローション、コスメ、マニキュア、シェービングクリーム、マウスウォッシュ、シャンプー、ヘアブリーチ剤、ヘアムースなど)の使用頻度に関する質問に回答した。
血液検査と問診票より、とりわけ、妊娠期におけるヘアケア製品(カラーリング剤、ブリーチ剤、ヘアムースなど)の使用頻度に伴い、性ステロイドホルモン量が減少することが認められた。
性ステロイドホルモンは妊娠継続、胎児の成長・発達に極めて重要な役割を担っている。性ステロイドホルモンが攪乱すると妊娠継続が厳しくなり、成長阻害、早産、低出産体重リスクが高まるという。
(画像はRUTGERSより)

RUTGERS
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