大気汚染による健康被害
10月21日、メリーランド医科大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、マウスを用いた動物モデル実験を通じて、大気汚染によって脳に炎症が生じ、精子数が減少すると発表した。
今回、初めて、大気汚染曝露によって健康被害が引き起こるメカニズムが解明された。脳の炎症によって不妊症をはじめ、肥満、糖尿病といった疾患を発症すると推測される。
なお、研究論文は「Environmental Health Perspectives」に掲載されている。
大気汚染が生殖機能に及ぼす影響
大気汚染と疾患には因果関係があり、肥満や糖尿病、不妊などの疾患リスクを高めるといわれるが、これまで、健康状態に悪影響を及ぼすメカニズムの解明には至らなかった。
そこで、研究チームは、マウスを用いた動物モデル実験を行い、大気汚染が生殖機能に及ぼす影響を検証した。
生殖は、脳の視床下部・下垂体にて制御されている。つまり、脳は生殖器官を司り、ストレス状況下において生殖能力や精子数に直接的な影響を与えるのは脳である。例えば、女性の場合、感情的なストレスが増幅すると脳がダメージを受け、それによって月経周期が乱れる。
今回の研究では、大気汚染物質の曝露と生殖能力の低下において因果関係が認められた。大気汚染物質に晒されたマウス脳は外的ストレスによるダメージを受けて炎症が引き起こり、精子数が減少したという。
(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY of MARYLAND SCHOOL OF MEDICINE
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