砂糖入り飲料による身体影響
9月29日、コペンハーゲン大学(デンマーク)、ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院(アメリア)などの研究チームは、「Human Reproduction」にて、加糖飲料は若い男性の生殖機能に悪影響を及ぼすと発表した。
今回、加糖飲料の摂取と精巣機能の低下における関係性が認められた。砂糖入り飲料によって、精液の質や生殖ホルモン量が減退し、男性不妊の要因に成り得るという。
砂糖入り飲料の摂取と精巣機能の低下における関係性
研究チームは、2008年から2017年の期間、健康な男性2935人(平均年齢19歳)を対象に、砂糖入り飲料(加糖飲料・人工甘味飲料・エナジードリンク・果汁ジュース)の摂取と精巣機能の低下における関係性を検証した。
砂糖入り飲料の摂取頻度は、食事(食物)摂取頻度調査票を通じて調査した。また、被験者の精巣機能は、精液検査の精液パラメーター(精液量、精子濃度、精子数、精子運動率、精子形態)、精巣超音波検査、血中生殖ホルモン量(テストステロン、血中インヒビンB濃度、血中FSH濃度など)より評価した。
1日あたりの加糖飲料摂取量の平均値は220mlだったが、1日あたりの摂取量が多い男性では、加糖飲料を全く飲まない男性と比べて、精子濃度の中央値、精子数、血中インヒビンB濃度、血中インヒビンB/FSH比率が低くなった。
さらに、1日あたりの摂取量が1杯(~200ml)増えるごとに、精子濃度と血中インヒビンB量に大きな相違が生じた。1日あたりの摂取量の増加に伴い、精子濃度と血中インヒビンB量が大幅に減少したという。
今回、一貫性のある研究結果は得られなかったものの、加糖飲料の摂取と精巣機能の低下において因果関係が認められた。加糖飲料の摂取により、精子濃度、精子数、血中インヒビンB濃度、血中インヒビンB/FSH比率が低下すると報告された。
なお、人工甘味飲料、エナジードリンク、果汁ジュースの摂取と精巣機能の低下における因果関係は不明であるという。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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