体外受精サイクル1回目における出生率の増加
9月19日、ニューサウスウェールズ大学(ニュージーランド)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、過去10年間において、オーストラリアおよびニュージーランドの体外受精成功率は著しく改善し、特に35歳以上の女性では急激に増加したと発表した。
35歳以上の体外受精成功率が急増する
自分の卵子を用いた体外受精サイクル1回目あたりの出生率は右肩上がりとなり、全体で18%増となった。とりわけ、35歳以上の女性には、大幅な増加が認められたという。
例えば、35歳から39歳の女性の場合、サイクル1回目あたりの出生率は、過去10年間で19%から23%まで増え、体外受精成功率が20%上昇したといえる。40歳から44歳の出生率は10%増し、10年間で27%増加した。
なお、研究チームは、体外受精成功率の増加要因として、生殖補助医療技術の向上、一般不妊治療の改善(診断、手術療法など)が挙げる。過去10年間において、卵巣刺激、受精卵(胚)培養、胚選択など体外受精技術は、目覚ましい発展を遂げたという。
凍結融解胚移植の成功率が新鮮胚移植を上回る
あわせて、凍結融解胚移植による体外受精の出生率が、10年間で50%増加した。一方、新鮮胚移植による体外受精の出生率は、24%から25%と横ばいで推移している。
結果として、凍結融解胚を用いた体外受精は、新鮮胚を用いた体外受精の出生率を上回った。
胚の凍結保存技術は、この10年で急激に向上し、母体にとって好ましいタイミングで胚移植を実施できるようになったという。子宮環境、ホルモン分泌状態など妊娠可能性を考慮したうえで、最適な時期に胚移植を実施できるようになったため、体外受精の出生率、さらには35歳以上の出生率が向上したといえる。
(画像はプレスリリースより)

UNSW
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