体外受精の成功可能性への影響因子
8月10日、ミシガン大学の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、睡眠時間が短く、就寝時間が遅い場合、体外受精の成功可能性が下がると発表した。
今回、体外受精の成功可能性は、睡眠時間および就寝時間に関連することが認められた。
体外受精の成功可能性、睡眠時間および就寝時間における関係性
研究チームは、2015年から2017年に掛けて、大規模医療センターにて体外受精を受ける女性48人(平均年齢33歳)を対象に、前向きコホート研究(プロスペクティブ・コホート・スタディ)を実施した。
年齢、生殖ホルモンAMH(アンチミューラリアンホルモン/抗ミュラー管ホルモン)量を考慮したうえで、睡眠時間および就寝時間が体外受精の成功可能性に与える影響を検証した。
被験者の平均年齢は33歳、35歳以下は29%を占めた。また、10人の女性は夜間に中途覚醒するために睡眠時間が短く、睡眠の質は低く、胚移植の実施前に体外受精を中止している。
就寝時間が遅い女性では、就寝時間が早い女性と比べて、体外受精サイクルの失敗率(未完了率)が高まった。一方、睡眠時間が長い女性は、体外受精サイクルの失敗可能性が低下した。
なお、睡眠時間は、体外受精サイクルを開始する1、2週間前にアクチグラフィーによって評価した。アクチグラフィーでは、時計型センサーを装着することで自動的に人間の活動・休止リズムサイクルを記録し、査定する。
研究チームは、睡眠時間および就寝時間、年齢、AMH量が体外受精の成功可能性に大きく影響すると結論付けている。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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