ホルモン補充周期胚移植の血中LHレベルと出生率
8月27日、中国の研究チームは、「Human Reproduction」にて、ホルモン補充周期胚移植において、エストロゲン投与前日の血中LH(黄体形成ホルモン)レベルが低い場合、出生率は下がると報告された。
ホルモン補充周期胚移植とは
自然周期では、卵胞期になるとエストロゲンの分泌が増えて子宮内膜が厚くなる。しかしながら、凍結融解胚移植サイクルでは、エストロゲンおよびプロゲステロンの自然分泌が難しい。
そのため、周期的にホルモン量を管理し、自然周期のホルモン分泌量に近い状態にする必要がある。凍結融解胚移植に伴い、エストロゲンを投与することにより、子宮内膜の厚みが増して受精卵の着床に備えられる。
LHレベルが出生率に与える影響
研究チームは、2014年2月から2020年1月に掛けて、凍結融解胚移植3469サイクルを対象に、ホルモン補充周期胚移植の血中LH(黄体形成ホルモン)レベルと出生率における関連性を検証した。
プロゲステロン投与前日の血中LHレベルと出生率を比較したところ、ホルモン量が少ない女性では出生率が下がることが認められた。なお、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの排卵障害を患っている女性、プロゲステロン投与前の子宮内膜の厚みが7ミリ未満の女性は被験者から除外された。
研究チームは、ホルモン補充周期胚移植の血中LHレベルと出生率には関連性があり、プロゲステロン投与前日のホルモン量が出生率に影響を与えると結論付ける。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
https://academic.oup.com/