フタル酸エステル曝露による影響
7月6日、イタリアの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、フタル酸エステル曝露と子宮内膜症に因果関係が認められると発表した。
フタル酸エステルは可塑性物質であり、化粧品・パーソナルケア製品、食品・飲料容器などのプラスチック製品、建築材料と幅広く利用されている。
子宮内膜症とは
子宮内膜症は炎症性疾患であり、子宮内腔に存在する子宮内膜組織が子宮外(腹膜、卵巣、卵管など)にて異常発達して増殖する。妊娠出産適齢期の女性に発症し、慢性的な激しい痛み、胃腸障害、不妊を伴う。
最近の研究論文では、化学物質「内分泌攪乱物質」により、子宮内膜症が進行する可能性があると報告された。しかしながら、現状、子宮内膜症の診断は非常に難しく、治療法も確立していない。
フタル酸エステルと曝露と子宮内膜症の発症率における関係性
今回、研究チームは、14文献を対象にシステマティックレビューならびにメタ分析を行い、尿内に含まれるフタル酸エステル類に基づき、フタル酸エステルと曝露と子宮内膜症の発症率における関係性を検証した。
更なる研究の必要性はあるものの、 フタル酸エステル類曝露と子宮内膜症には因果関係があり、子宮内膜症では、尿中MBP/MnBP(フタル酸モノブチル)濃度が高まることが確認された。
(画像はSpringer Linkより)

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