胎児心臓超音波スクリーニングが必要な条件とは
7月23日、「Contemporary ObGyn」によると、イェール大学医学部の研究チームは、他要因がない場合、自然妊娠と体外受精による妊娠において、冠状動脈性心疾患の発症率は大差ないと発表した。
そのため、他要因がない限り、体外受精による妊娠にて、胎児心臓超音波スクリーニングは不要であると提唱する。なお、研究論文は、6月28日、「Fertility and Sterility」に掲載された。
自然妊娠および体外受精における冠状動脈性心疾患の発症率
冠状動脈性心疾患(CHD)とは、心臓に血液・酸素を供給する冠状動脈に狭窄や閉塞が生じて起こる疾患である。心筋への血流が悪くなり、血液・酸素供給量が減少する。
研究チームは、2012年から2018年のデータベースを用いて、出生児181749人、胎児心臓超音波スクリーニング件数9252件を対象にコホート研究を実施した。
体外受精による妊娠において、胎児心臓超音波スクリーニング実施件数は2230件であったが、そのうち2040件は冠状動脈性心疾患の危険因子は検知されなかった。
これまで、先行研究では、自然妊娠児と比べて、体外受精児は、先天性心疾患リスクが増すと報告されてきた。
しかしながら、今回、胎児心臓超音波スクリーニングにて診断された冠状動脈性心疾患の発症率において、自然妊娠児および体外受精児を比較したところ、比率に大差ないことが判明した。
(画像はFertility and Sterilityより)

Fertility and Sterility
https://www.fertstert.org/BioNews
https://www.bionews.org.uk/page_158031Contemporary ObGyn
https://www.contemporaryobgyn.net/