卵母細胞の成熟に対する影響要因
6月14日、アメリカの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、不妊治療の卵巣刺激において、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量の増加に伴い、未成熟な卵母細胞の数、採取した卵母細胞に対する未成熟卵母細胞の割合は減少すると発表した。
一方、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量を減らし、一日投与量を増やした場合、未成熟な卵母細胞は増加すると報告された。
今回、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量および投与日と未成熟卵母細胞に関連性があることが認められた。ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量および投与のタイミングにより、未成熟な卵母細胞の数、採取した卵母細胞に対する未成熟卵母細胞の割合は変化するという。
ゴナドトロピン総投与量・投与日と卵母細胞の成熟度合いにおける関連性
不妊治療において、卵巣刺激によって成熟したメタフェイズ(MII期)卵母細胞の数および割合は変化するのだろうか。研究チームは、凍結胚を用いる体外受精、顕微授精・卵細胞質内精子注入法(ICSI)を行う女性2546人を対象に、卵巣刺激のパラメータを検証した。
凍結胚を用いる体外受精、顕微授精・卵細胞質内精子注入法(ICSI)に基づいて被験者をグループ化し、年齢、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量/投与日/一日投与量、hMG(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン)投与量、Day2とDay3の卵巣刺激ホルモン(FSH)量およびエストラジオール(E2)量を比較した。
凍結胚による体外受精、顕微授精ともに、未成熟な卵母細胞、卵母細胞の対する未成熟卵母細胞の割合は、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量に関連することが確認された。
不妊治療にてゴナドトロピンによる卵巣刺激を行う場合、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量を減らし、一日投与量を増やすと未成熟な卵母細胞は増加した。
一方、ゴナドトロピン(FSH/hMG)総投与量を増やすと、未成熟な卵母細胞の数、採取した卵母細胞に対する未成熟卵母細胞の割合は減少するという。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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