受精におけるアルブミンの重要性
6月22日、カリフォルニア大学アーバイン校(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、アルブミンと電位依存性プロトンチャネルにおける関係性によって精子が活性化され、精液から放出された精子が卵管を通り抜け、卵子へ侵入して受精できると発表した。
男性の精液内に含まれるアルブミンは少量であるが、女性の卵管には多量のアルブミンが存在する。卵管のアルブミンが、精子の卵管内への進入および卵子との受精を補助するという。それゆえ、体外受精において、アルブミン投与が重要になる。
アルブミンと電位依存性プロトンチャネルにおける関係性
アルブミンは、血清タンパク質のうち最も量が多いタンパク質であり、電位依存性プロトンチャネル(活性酸素産生の制御、精子の成熟調節など生命現象に関与する重要なチャネル分子)を活性化する働きをもつ。
今回、アルブミンと電位依存性プロトンチャネルにおける関係性を調査するなかで、アルブミンが直に電位依存性プロトンチャネルと結束し、チャネルが活性化することが確認された。
あわせて、アルブミンは、自然免疫応答において好中球(白血球の一種)に炎症仲介物質を放出させて炎症を抑制させるとも報告された。なお、研究論文は、「Nature Communications」に掲載されている。
(画像はプレスリリースより)

UCI School of Medicine
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