妊娠期の食事における効果
6月14日、オーガスタ大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、妊娠期における植物性ベースの食事は、妊娠高血圧や子癇前症を予防する効果があると発表した。
一般的に、塩分を摂り過ぎると高血圧になりやすいといわれる。今回、動物モデル実験を通じて、塩分摂取量を起因とする高血圧の妊婦に対して栄養介入を行うことにより、妊娠高血圧や子癇前症を予防できたという。
なお、研究論文は、「ACTA PHYSIOLOGICA」に掲載されている。
高血圧妊婦に対する栄養介入が母体に与える影響
これまで、腸内細菌と慢性疾患(高血圧など)における関連性は立証されている。今回の研究は、食事によって腸内細菌が変化し、食塩感受性高血圧の症状が緩和できるとの仮説に基づく。
研究チームは、ダールラットを用いた動物モデル実験を行い、妊娠中のダールラットにエサとして全粒穀物(植物性タンパク質あるいは動物性タンパク質)を与え、妊娠中の栄養介入が母体に与える影響を検証した。
ダールラットとは、食塩感受性高血圧症モデルラットである。高食塩食を与えて、塩分の影響を受けやすいタイプ(食塩感受性高血圧)として作出された。
妊娠中のダールラットに全粒小麦ベースのエサを与えた場合、妊娠高血圧や子癇前症の発症を予防できた。
一方、動物ベースのカゼインを与えたダールラットのうち過半数には、妊娠高血圧や子癇前症の症状が顕著に表れた。腎臓の機能異常の指標となる尿蛋白が増え、妊娠経過に伴い、炎症の増加、血圧の上昇など症状は悪化した。
研究チームは、動物モデル実験を通じて、妊娠中の母親の食事は妊娠に対して影響を与え、非常に重要であると説明する。また、栄養介入によって腸内細菌は改善され、結果、長期的に良好な健康状態となると考える。
(画像はプレスリリースより)

Augusta University
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