新型コロナワクチン接種の安全性
5月11日、ノースウェスタン大学の研究チームは、同大学のプレスリリースを通じて、妊娠中の新型コロナワクチン接種と胎盤損傷には因果関係がなく、妊婦のワクチン接種は安全であると発表した。
特に、妊婦は、ワクチン副作用や妊娠結果への影響を懸念し、新型コロナワクチン接種に対する忌避感情が強い傾向にある。今回、妊娠中の新型コロナワクチン接種は、胎盤に悪影響を与えないことが認められた。
なお、研究論文は、「Obstetrics & Gynecology」(5月11日)に掲載されている。
新型コロナワクチン接種が妊婦の胎盤に与える影響
妊娠中に生じる異常は、胎盤起因であると考えられる。しかしながら、妊娠中の胎盤は、解明されていない部分も多く残る。
これまで、妊娠中、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に感染した場合、胎盤が損傷し、母子間での血液循環に異常などが認められている。
今回、研究チームは、世界で初めて、新型コロナワクチン接種が妊婦の胎盤に与える影響に着目した。
ワクチン接種した女性84人、ワクチン接種していない女性116人を対象に胎盤組織を採取し、新型コロナワクチン接種が妊娠中の胎盤に及ぼす影響を検証したところ、新型コロナワクチン接種と胎盤損傷は無関係であることが認められた。
なお、ワクチン接種の女性の大半は、妊娠後期に米モデルナ製あるいは米ファイザー製ワクチンを接種している。研究チームは、妊娠中の新型コロナワクチン接種は安全であり、ワクチン接種は母から子へ抗体を引き継ぐ唯一の方法であると説明する。
(画像はプレスリリースより)

Northwestern
https://news.northwestern.edu/