AIアルゴリズムに基づく胚評価
3月25日、カウナス工科大学(リトアニア)の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、初期成長段階の胚を評価するAI(人工知能)ベースの自動システムを開発したと発表した。
新たなシステムは、AIアルゴリズムに基づき、体外培養されている胚から体外受精の胚移植に最適な胚を選択するという。
胚生学者の負担軽減
受精、受精卵(胚)の体外培養は環境に左右され、安定した適温、空気の質、光、培地pHおよび浸透圧が条件となる。最終的には、培養した胚のうち、子宮への着床率、妊娠成立の可能性が最も高い胚を選択するが、体外培養プロセスにおける胚選択には問題が伴う。
従来の胚評価および選択方法では、初期成長段階において、最大5日間、5分ごとに7側面から胚の画像を撮影し、視覚情報を収集する。胚の画像は最大2万枚となり、胚生学者が胚の質やグレードを評価する。
今回、開発されたAIベースの自動胚選択システムでは、胚生学者による評価をAIアルゴリズムに代替する。アルゴリズムは撮影された胚の画像を自動分析し、胚の成長・発達に影響を及ぼすイベントおよび異常を提示する。胚生学者ではなく、AIアルゴリズムが胚選択の採取決定を下すという。
これにより、体外受精において最適かつ健康な初期発達段階の胚を選択できる可能性が高まる。
(画像はプレスリリースより)

Kaunas University of Technology
https://en.ktu.edu/ BioNews
https://www.bionews.org.uk/page_155573