人工甘味料と男性不妊
5月1日、台北医学大学(台湾)の研究チームは、「Environmental Health Perspectives」にて、スクラロースの摂り過ぎは男性不妊リスクを高めると示した。
スクラロースは、非栄養性甘味料として広く用いられている。今回、スクラロースを日常的に摂取することによって精子生存率は低下し、生殖機能は損なわれると報告された。
スクラロースによる精巣への影響
スクラロースの安定性は高く、耐熱・対光に優れた性質をもつ。その一方、下水や河川に流れ込んでも分解されにくく、長期的な環境および健康への影響が懸念される。
そこで今回、研究チームは、6週齢の雄SDラットを用いた動物モデル実験を行い、スクラロースが男性の生殖機能に対して与える影響について細胞レベルにて検証した。
雄ラットに対して許容一日摂取量に相当するスクラロースを2ヶ月間経口投与したところ、精子生存率の低下および生殖機能障害(精巣形態の変化やステロイド産生の抑制など)が認められた。
あわせて、In vitro実験(試験管内実験)にて、雄マウスの精巣ライディッヒ細胞株(TM3)と精巣セルトリ細胞株(TM4)をスクラロースに曝露した。
スクラロース曝露による細胞損傷を評価したところ、スクラロース曝露濃度が高く、曝露時間が長いほど細胞生存率は有意に低下した。高濃度のスクラロースに長時間晒された細胞では生存率が下がり、酸化ストレスが誘発されてオートファジー(細胞内の浄化・リサイクルシステム)は阻害されたという。
(画像はEnvironmental Health Perspectivesより)

Environmental Health Perspectives
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/EHP.6c00314