健康的な生活習慣の重要性
10月27日、アデレード大学(オーストラリア)の研究チームは、プレスリリースにて、肥満男性の場合、生活習慣の改善によって精子の質は向上すると示した。
今回、肥満男性の妊娠の可能性を高めるうえで、減量方法や減量幅よりも生活習慣の改善が重要であると報告された。
体重の減量幅に関わらず、食事と運動を意識した健康的な生活習慣へ改善することにより、精子の運動性ならびに正常形態率は向上するという。
肥満に対する減量介入と生殖への影響
肥満は、男性不妊の原因の一つとされる。それゆえ、健康的な体重の維持を推奨するが、肥満による男性不妊を改善するうえで最適な減量方法は明確に提示されていない。
そこで今回、研究チームは、バリアトリック手術(肥満外科手術)、肥満治療薬・減量薬、食事療法、運動プログラムなど減量介入に関する研究32件を用いて、肥満男性(18~50歳)を対象に、肥満に対する減量介入と生殖への影響について検証した。
減量方法ならびに減量幅に基づき精子への影響を分析したところ、減量そのものは精子運動性、精子濃度、精子の正常形態率など精子の状態に直接的な影響を及ぼさないことが認められた。
バリアトリック手術では減量幅は大きく、短期間で大幅に体重は減ったが、精子量、精子濃度、精子運動性、精子DNA断片化をはじめ、精子の状態において顕著かつ肯定的な変化は見られなかった。
一方、生活習慣の改善と精子の質には関連性が示された。食事改善ならびに運動実践にて生活習慣を改善したところ、手術と比べて減量幅は小さいものの、体重が落ちると精子運動性ならびに精子の正常形態率は向上し、精子の質は改善したという。
(画像はプレスリリースより)

THE UNIVERSITY of ADELAIDE
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