子宮内膜症の発症を抑止
10月21日、イランの研究チームは、「Scientific Reports」にて、健康的で質の高い食事により、子宮内膜症リスクは軽減すると示した。
食事は、炎症、酸化ストレス、ホルモンバランス、筋収縮などに影響を与える。食事によって炎症や痛みは緩和し、病気の進行は抑えられる。それゆえ、子宮内膜症においても食事と栄養管理は重要な役割を果たすという。
今回、地中海食をはじめ、食物繊維やプラントベースフード(食物由来の原材料)を豊富に含む食事は、子宮内膜症の発症率を下げると報告された。
子宮内膜症と食事における関係性
研究チームは、2021年2月から9月の期間、テヘラン(イラン)の病院にて子宮内膜症を含む女性313人(18~49歳)を対象に食物摂取頻度調査(FFQ)を行い、子宮内膜症と食事における関係性について検証した。
実験群(子宮内膜症である女性)105人と対照群(子宮内膜症でない女性)208人の食事データに基づき、食事状況や栄養摂取量を分析したところ、健康的な食事を摂る女性は、子宮内膜症を発症する可能性が有意に低くなることが認められた。
対照群は果物、ナッツ類、魚類、野菜、豆類の摂取量が多く、実験群と比べて健康的で質の高い食事であった。食物繊維やプラントベースフードの摂取量が多いほど炎症や痛みは軽減し、子宮内膜症の発症率は低下すると示された。
一方、実験群は飽和脂肪酸・肉類・乳製品の摂取量が多く、肉類・乳製品の摂取量に伴い子宮内膜症の発症率は増加した。
これより、研究チームは、果物・野菜・魚類・豆類を豊富に含む食事は抗炎症作用、抗酸化作用、ホルモンバランスの改善効果があり、子宮内膜症の発症率を低下させると考える。
(画像はScientific Reportsより)

Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-025-20621-6