胚の染色体異常発生率
11月8日、イスラエルの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、出産経験のない女性が3回以上流産を繰り返す場合、胚の染色体異常が起因となる可能性が高いと示唆した。
今回、出産経験のない女性が3回以上連続して流産するケースでは、出産経験のある女性が3回以上連続して流産するケースと比べて胚の染色体異常発生率が有意に高くなると報告された。
出産歴と胚の染色体異常発生率における相違
流産を3回以上繰り返す場合、習慣流産あるいは不育症と呼ばれる。また、習慣流産は、「原発性習慣流産(出産歴のない女性が3回以上連続して流産すること)」と「続発性習慣流産(出産歴のある女性が3回以上連続して流産すること)」に分類される。
今回、研究チームは、流産を3回以上繰り返す女性327人を対象に受胎生成物(流産後に子宮内に残存する胎盤組織や胎児組織)を採取し、流産・絨毛染色体検査(POC)を実施した。
受胎生成物を分析したところ、原発性習慣流産と胚の染色体異常において正の相関が示された。原発性習慣流産は、続発性習慣流産と比べて母体の平均年齢が低いにも関わらず、胚の染色体異常発症率は高くなったという。
一方、続発性習慣流産では、過去の妊娠回数(妊娠22週超過)と胚の染色体異常に関連性が認められた。妊娠22週を超えて妊娠が継続した回数に伴い、胚の染色体異常発生率は有意に低下したという。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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