男性不妊を引き起こす要因
8月20日、中国の研究チームは、「Toxicology Letters」にて、精液中の微量元素と男性不妊には関連性があると示した。
金属元素は男性の生殖能力に影響を及ぼすという。今回、精液中の微量元素のうち銅ならびにカドミウム濃度が上昇することにより、男性不妊リスクは高まると報告された。
精液中の微量元素と男性不妊における関係性
精子機能障害は男性不妊の主な要因であり、精液の質の低下は精液中の微量元素に関連するといわれる。
そこで、研究チームは、研究論文38文献を用いてシステマティック・レビューおよびメタ分析を行い、精液中の微量元素と男性不妊における関係性について検証した。
男性5070人(実験群3061人、対照群2009人)を対象に精液中の微量元素(亜鉛、鉄、マンガン、セレン、銅、カルシウム、マグネシウム、鉛、カドミウム)を比較したところ、実験群(不妊男性)は、対照群(健康な男性)より銅ならびにカドミウム濃度が高くなった。
銅濃度の上昇は、男性不妊の潜在的な危険因子になる可能性が示唆される。また、カドミウム濃度の上昇と男性不妊には関連性があるという。
一方、不妊男性と健康な男性において、精液中の亜鉛、鉄、マンガン、セレニウム、カルシウム、マグネシウム、鉛に有意差は認められなかった。
これより、研究チームは、精液中の銅ならびにカドミウム濃度の上昇に伴い、男性不妊リスクは高まると結論付ける。
(画像はToxicology Lettersより)

ScienceDirect
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