子供の肥満への影響因子
8月6日、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL:イギリス)は、プレスリリースにて、母親の遺伝子が子供の肥満に大きな役割を果たす可能性があると示した。
子供の肥満度(過体重度)は、父親の遺伝子よりも母親の遺伝子の影響を大きく受ける。母親の遺伝子が、子供が太りすぎになるかを決定するという。なお、研究論文は「PLOS Genetics」に掲載されている。
子供の肥満形成と母親の遺伝子
研究チームは、イギリス出生コホート研究「Millennium Cohort Study」を用いて、イギリス人家族2621組を対象に両親のBMI、子供の体重と食生活(3、5、7、11、14、17歳の果物、野菜、ファストフード、加糖飲料を含む食品の摂取頻度・摂取量)を調査した。
両親のBMIならびに関連遺伝子が子供の体重と食生活に与える影響について検証したところ、両親のBMIと子供のBMIにおいて関連性が認められた。父親の影響は、父親から子供へ直接引き継がれた遺伝子によるという。
一方、母親は、遺伝的継承を超えて、子供の体重に影響を与える。母親自身の体重、食生活、妊娠中の行動に加えて、子供の健康や長期的な成長・発達にも重要な役割を果たしている。それゆえ、妊娠中の体重管理、母親のBMIを下げる目的での医療介入は、肥満の世代間影響を軽減する可能性があると示唆される。
(画像はプレスリリースより)

UCL
https://www.ucl.ac.uk/