男性の精神状態と妊娠率
アメリカ国立衛生研究所小児保健・人間発達研究所(NICHD)の研究チームは、「Fertility and Sterility」にて、男性の精神状態が妊娠率に影響を与えると発表した。パートナーの男性が鬱状態、抑鬱状態である場合、妊娠率は下がると報告されている。
また、非SSRI抗鬱剤(非選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の使用は、初期の妊娠損失を引き起こすことが認められた。一方、女性の鬱状態、SSRI抗鬱剤や他の抗鬱剤は、初期の妊娠損失と無関係であった。
抗鬱剤の使用と妊娠率における関係性
研究チームは、同研究所の生殖医療ネットワークによる先行研究2件を統合し、妊娠率と精神状態における関係性を検証した。先行研究は排卵誘発剤を使用している女性1650人、パートナーである男性1608人を対象に行われ、うち女性5.96%、男性2.28%が鬱状態と診断された。
非SSRI抗鬱剤を使用している女性における妊娠初期の妊娠損失率は、抗鬱剤を使用していない女性に比べ、約3.5倍増になった。パートナーの男性が鬱状態である場合、60%に妊娠率や出生率の低下が確認された。
(画像はPixabayより)

Esther Eisenberg
https://www.nichd.nih.gov/