初期流産に対する経口投与剤と経膣投与剤の効果
ペンシルベニア大学医学大学院の研究チームは、経口投与剤「ミフェプリストン」、経膣投与剤「ミソプロストール」の組み合わせにより、初期流産の外科処置が不要になると発表した。
論文主著者であり、同大学のコートニー・A・シュライバー(Courtney A. Schreiber)教授は、初期流産の診断を受けた女性における精神的なストレスは大きく、胎嚢が自然排出されずに外科処置が必要になった場合、精神的・肉体的な負担は計り知れないと述べる。
経口投与剤・経膣投与剤の使用と初期流産の外科処置における関係性
研究チームは、初期妊娠損失と診断された女性300人を対象に、経口投与剤・経膣投与剤と初期流産の外科処置における関係性を検証した。
被験者の半数に対して、子宮の収縮誘導効果を高める目的にて前処置としてミフェプリストン200mgを服用させ、膣内にミソプロストール800μgを入れたところ、91.2%は胎嚢が自然排出し、外科処置が不要であった。また、83.8%が処置から平均2日後にて胎嚢が自然排出したと報告されている。
一方、前処置せずにミソプロストール800μgのみを使用した場合、75.8%に胎嚢が自然排出し、67.1%が処置後2日前後にて自然流産した。
精神的・肉体的負担の軽減に
30日間において、ミソプロストールのみでは外科処置が23.5%であったが、ミフェプリストンとミソプロストールを組み合わせにおける外科処置は8.8%と軽減した。なお、痛み、出血、副作用には大きな相違は認められなかった。
研究チームは、ミフェプリストンとミソプロストールにより初期流産の外科処置が不要になると結論付ける。
(画像はPixabayより)

Penn Medicine
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