胎盤によるホルモン分泌
Children's National Health Systemの研究チームは、米国小児科学会総会(PAS)にて、妊娠期において、胎盤がホルモン「アロプレグナノロン(ALLO)」の量を調整すると発表した。
妊娠期の胎盤では200種類以上のホルモンが生成され、ホルモンにより妊娠が維持でき、胎児の成長が促される。
アロプレグナノロン分泌量は妊娠中期から増え始め、満期に合わせて分泌量はピークに達する。アロプレグナノロンはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分解して生成され、胎児脳の発達に影響を与える。
これまで、ストレスを受けて神経が興奮状態になった場合、脳がアロプレグナノロンを分泌することは解明されていた。
アロプレグナノロン分泌量と胎児脳における関係性
研究チームは、妊娠24週から36週目にて誕生した早産児61人を対象に、アロプレグナノロン分泌量と胎児脳の発達における関係性を検証した。
早産児から誕生36時間以内の臍帯血としょう液(リンパ液)を採取し、LC-MS分析(液体クロマトグラフィー質量分析法)を行ったところ、アロプレグナノロンの減少により、胎児脳の成長に悪影響を及ぼすことが認められた。
LC-MS分析(液体クロマトグラフィー質量分析法)は微量レベルの化合物を分析でき、アロプレグナノロンを含む27種類の質量と比較する技術である。
アロプレグナノロン減少による影響
アンナ・ペン(Anna Penn)教授は、胎児の大脳が妊娠中期から後期に掛けて発達し、大脳が組織されるうえでアロプレグナノロンは不可欠であると説明する。
アロプレグナノロンにより大脳皮質(大脳の表面を覆う層)は正常に発達し、大脳は組織されるという。胎児脳における細胞発生過程にてアロプレグナノロンの分泌が妨げられた場合、未分化なニューロン(神経細胞)が大脳皮質へ移動せず、脳の神経回路網が正しく構築されない。
また、ペン教授は、アロプレグナノロンの減少により胎盤機能不全が引き起こり、母親の血圧が上がると推測する。
(画像はPixabayより)

Children’s National Health System
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