食事が生殖能力に与える影響
これまで、妊活中など妊娠前と食事内容が生殖機能・能力に与える影響における関係性は立証されてきた。今回、ハドソン医学研究所の研究チームは、「Human Reproduction」にて、糖を含む食品・飲料と加工食品の組み合わせが終末糖化産物(AGE)を作り、女性の生殖能力に大きな影響を与えると発表した。
特に、肥満女性の場合、AGEにより子宮の炎症が引き起こされると報告されている。子宮の炎症は妊娠率を低下させ、妊娠合併症の発症率を高める。
AGEとは
AGEとは焦げ目がついた肉、こんがり焼いたトーストなど、食品に含まれるタンパク質と糖が加熱調理(焼く・揚げる・炒める・炒る)にて生成される物質であり、強い毒性をもつ。また、加工度の高い食品には、AGEが多く含まれる。
AGEは、酸化ストレス(活性酸素と抗酸化物質、抗酸化酵素とのバランスの乱れ)、炎症、糖尿病、心臓血管疾患の要因になるといわれる。
AGE値と生殖能力の関係性
研究チームは、肥満女性16人と痩せ型の女性17人を対象に尿検査を行い、AGE値と生殖能力の関係性を考察した。
尿検査より、尿中AGE値が高い女性は不妊、妊娠合併症である傾向が認められた。同研究所のジェンマ・エヴァンス(Jemma Evans)博士は、AGEが子宮内膜の細胞を変化させ、受精卵が着床できない環境にすると説明する。また、胎盤の発育を妨げ、妊娠合併症を引き起こすと述べている。
食生活の重要性
今回の研究を通して、改めて、妊活中の食事内容が妊娠・出産率に影響を与え、非常に重要であることが立証された。なお、AGE値は厳密な食事管理、投薬治療にて下げられるという。
(画像はPixabayより)

HUDSON
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