子宮内膜症における自然妊娠率
四川大学西中国第二大学病院の研究チームは、「Reproductive BioMedicine Online」にて、子宮内膜症を起因とした女性不妊で腹腔鏡検査を受けた場合、「endometriosis fertility index (EFI)」により自然妊娠率が予測可能であると発表した。
「endometriosis fertility index」は、子宮内膜症術後の自然妊娠可能性を予測する指標である。手術時における症状の程度、要因、手術後の卵巣・卵管機能に基づき、自然妊娠率(EFIスコア)を算出する。
子宮内膜症と女性不妊
子宮内膜症は女性不妊の主な要因となるが、いまだメカニズムの解明には至っていない。症状の程度に関わらず、侵襲的外科手術である腹腔鏡検査にて治療する。
EFIスコアの信憑性
研究チームは、2008年1月から2012年12月に掛けて、卵管閉塞の女性1325人を対象に、EFIスコアの信憑性を検証した。被験者は片側あるいは両側の卵管が閉塞し、調査開始前の一年間は自然妊娠に至っていない。また、2013年3月から2015年12月に掛けて、被験者のうち1097人に対して追跡調査を実施した。
手術後、505人(46.03%)が自然妊娠した。累積妊娠率とEFIスコアの合致性を測定したところ、EFIスコアの増加に伴い、自然妊娠率は高まると結論付けられた。つまり、EFIスコアが低い場合、自然妊娠率は低下し、不妊治療の必要性があるという。また、判断の閾値は、EFIスコア7.5であると認められた。
腹腔鏡検査後2年以内は高い妊娠率
合わせて、調査を通して、自然妊娠率、不妊治療による妊娠率が最も高まる時期が腹腔鏡検査から2年以内であることが確認された。
研究チームは、腹腔鏡検査後、自然妊娠に至らない場合、手術後2年以内に不妊治療を受けることを推奨する。
(画像はPixabayより)

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