B群連鎖球菌による子宮内膜症のメカニズム
シアトル小児病院の研究チームは、「Journal of Clinical Investigation」にて、B群連鎖球菌(GBS)が子宮内感染症(羊膜炎、子宮内膜炎)を引き起こすメカニズムを解明したと発表した。これまで、B群連鎖球菌による子宮内感染症には、未解明な部分が多く残っていた。
B群連鎖球菌は子宮の防御機能を逆手にとり、侵入・感染経路をつくる。子宮には、子宮組織から細菌感染した細胞を剥離させ、感染拡大を防ぐ作用がある。B群連鎖球菌は子宮の剥離を活性化させ、膣障壁を浸透して子宮へ侵入するという。
研究チームは、今回の発見により、B群連鎖球菌を起因とした膣障壁の機能低下、膣内でのB群連鎖球菌増殖、胎児のGBS感染症に対する予防、治療法が新たに確立できると期待する。
B群連鎖球菌とは
B群連鎖球菌は膣内の常在菌であり、女性4人に1人の割合にて存在する。弱い菌であり、通常、妊娠していない、健康な女性であれば身体への影響はない。
妊娠中の女性が膣内にB群連鎖球菌を保菌する場合、免疫力の弱い胎児は、出産で産道を通る際に、B群連鎖球菌感染症(GBS感染症)となる可能性がある。GBS感染症になった胎児は敗血症、髄膜炎、肺炎など重度の健康影響が生じ、死産に至ることも少なくない。
それゆえ、妊娠中の女性はGBS検査を受ける。陽性反応では、抗生物質にて治療する必要がある。
(画像はPixabayより)

Seattle Children’s HOSPITAL
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