子癇前症と血液検査
テルアビブ大学の研究チームは、「Scientific Reports」にて、子癇前症における新たな分子マーカー(指標分子)を特定したと発表した。血液検査により、子癇前症の早期診断が可能であるという。
子癇前症とは
子癇前症は、妊娠期の高血圧、タンパク尿を特徴とする疾患である。 胎盤血流の低下、低体重児の要因となり、症状が深刻化した場合は母子の生命をも脅かす。
子癇前症とRNA分散状態
研究チームは、キングス・カレッジ・ロンドンのキプロス・ニコライデス(Kypros Nicolaides)教授より協力を得て、6年に亘り、イギリス医療機関に受診する妊娠初期の女性を対象に血流サンプルを採取した。
採取した血液の血漿(けっしょう:血液に含まれる液体成分)からリボ核酸(RNA)を抽出し、次世代シーケンシング(NGS)を用いてDNA配列の決定を試みた。
子癇前症の症状がある女性と症状のない女性を比較したところ、25の小分子RNAが異なることが認められた。研究チームは、妊娠初期におけるRNA分散状態が子癇前症の診断指標になると結論付ける。
今回の発見を受け、同大学のノーム・ショムロン(Noam Shomron)博士は、症状の有無に関わらず、妊娠初期の血液検査にて子癇前症を診断できると説明する。
(画像はPixabayより)

TEL AVIV UNIVERSITY
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