オピオイド系鎮痛剤と胎児への健康影響
シンシナティ小児病院医療センターの研究チームは、「The Journal of Pediatrics」にて、妊娠期の母親がオピオイド系鎮痛剤を服用することにより、胎児は子宮内にてオピオイドにさらされ、健康に悪影響を受けると発表した。
妊娠期において母親がオピオイド系鎮痛剤を服用した場合、斜頸(首が曲がり、捻れ、一定方向に運動が制限されている状態)や斜頭症(頭蓋が非対称である状態)の発症リスクが高くなるという。
オピオイドの副作用とは
オピオイドは医療用鎮痛剤(医療用麻薬)であり、慢性痛の治療に用いられる。日本では癌治療の使用に限定されるが、アメリカをはじめ、世界的には一般的な鎮痛剤となる。
子宮内にてオピオイドにさらされた胎児は、オピオイド離脱から新生児禁欲症候群に陥る傾向にあるといわれる。
オピオイドと斜頸の関連性
研究チームは、同病院で誕生し、新生児禁欲症候群の診断歴である子供783人のうち、87人に斜頸が認められたと報告している。発症率は11.1%となる。
また、斜頸と診断された子供23%は、母親が妊娠期に医療行為を理由に長時間作用型オピオイドを服用していた。一方、短時間作用型オピオイドにさらされた子供は75.9%、複数のオピオイドが72.4%であった。
論文主著者のジェニー・マカリスター(Jenny McAllister)氏は、オピオイドの曝露と斜頸における関連性が立証されていないと述べつつも、妊娠期にオピオイド系鎮痛剤を服用しないことを推奨する。
(画像はPixabayより)

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