妊娠後期の葉酸と胎児への健康影響
アデレード大学ロビンソン研究所は、「American Journal of Physiology」にて、母親が妊娠後期(29~40週)に葉酸サプリメントを摂取した場合、胎児がアレルギー体質になる可能性は高まり、子宮内胎児発育遅延の要因になると発表した。
葉酸はビタミンBの一種であり、妊娠初期(妊娠1~12週)の母親が摂取することで胎児の神経管欠損リスクが軽減するといわれる。
葉酸摂取とアレルギー体質
先行研究より、子宮内胎児発育遅延など妊娠合併症と胎児のアレルギー体質において相関関係は認められている。研究チームは、子ヒツジに対して皮膚アレルギー試験を行い、妊娠後期の葉酸摂取とアレルギー体質の関連性を検証した。
2種類のアレルゲン(ダニ、卵白)に対する反応を測定したところ、子宮内胎児発育遅延の子ヒツジは、標準発育の子ヒツジと比べ、卵白のアレルギー反応は小さく、陰性が多かった。一方、妊娠後期の葉酸摂取を起因とした子宮内胎児発育遅延の子ヒツジは、アレルギー反応が大きく、陽性反応は増加したと報告されている。
葉酸摂取は妊娠初期のみ
同大学のキャシー・ガットフォード(Kathy Gatford)氏は、今回の研究を通して、妊娠初期(妊娠1~3ヶ月)の葉酸摂取が重要であると強調する。
母親が妊娠後期まで継続的に葉酸を摂取した場合、胎児の健康には逆効果であり、子宮内胎児発育遅延に伴うアレルギー体質になる可能性が高まると述べている。
(画像はPixabayより)

THE UNIVERSITY of ADELAIDE
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