睡眠時間と妊娠糖尿病
イリノイ大学シカゴ校医学部の研究チームは、「Sleep Medicine Reviews」にて、妊娠中の女性が睡眠時間を減らすことにより、妊娠糖尿病の発症リスクが高まると発表した。
メタ分析・解析による見解
研究チームは、睡眠時間と糖尿病の相関関係に関する研究結果を統合し、データ分析・解析を実施した。研究対象者には妊娠中の女性17308人が含まれる。
同大学のシリモン・レウトラクル(Sirimon Reutrakul)准教授は、データ分析・解析より短い睡眠時間と妊娠糖尿病の発症リスクに関連性が認められたと述べている。睡眠時間が短い場合、上昇率は小さいが血糖値を上昇させる要因になったと報告する。
独自の調査による見解
メタ分析・解析に加えて、研究チームは、妊娠中の女性287人を対象に、睡眠時間と妊娠糖尿病の関連性を調査した。
自己申告による主観的測定、研究チームによる客観的測定にて睡眠時間を算出したところ、睡眠時間が平均6時間未満では、妊娠糖尿病の診断率が1.7倍に増加した。
また、睡眠時間が6.25時間未満の女性は、6.25時間以上の女性と比べ、妊娠糖尿病の発症リスクが2.84倍増となり、スクリーニング検査より高い血糖値が認められた。
レウトラクル准教授は、睡眠時間と妊娠糖尿病の発症リスクに関して更なる研究の必要性を強調している。
妊娠糖尿病とは
妊娠期における血糖値の上昇は非常に危険であり、妊娠糖尿病の発症リスクを高める。妊娠糖尿病は妊娠第二期(13~28週)と第三期(29~40週)に発症しやすく、胎児へ遺伝し、出生体重の増加や出生後の肥満をまねく。
それゆえ、多くの医療機関では、妊娠24週から28週の間にて、血糖値検査を実施する。
(画像はPixabayより)

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