不妊治療の目的と身体的経験
イェール大学社会学部のルネ・アルメリング(Rene Almeling)准教授は、「Social Science and Medicine」にて、体外受精を受ける目的・理由により身体的経験は変化すると発表した。
体外受精と卵子提供における身体的経験
研究チームは、アメリカ国内にて体外受精を受けた女性50人、卵子提供者の女性62人を対象に、治療による身体的・感情的・認知的経験を比較した。
比較結果より、体外受精と卵子提供において、身体的経験は卵子の採取目的に大きく影響を受けたことが認められた。体外受精における身体的経験は、全てが犠牲になる、苦痛を伴う、骨の折れると描写されたが、一方、卵子提供では治療に苦痛は伴わないと表現された。
また、身体的経験は体外受精、卵子提供ともに回数によって相違が生じ、初回は治療に対する精神的ストレスや不安が最も強くなった。2回目以降は、体外受精の治療内容や卵子提供の段階を経験していることより、身体的経験の精神的負担は緩和する傾向にあったという。
身体的経験の潜在的要因
アルメリング准教授は、身体的経験は、痛みなどの身体的負担、不安やストレスなどの精神的負担に対する自覚度により変化すると説明する。
その為、専門家や医療関係者に対して、体外受精や卵子提供における最終目標が、個々の身体的経験に影響を与える潜在的要因になると考慮するべきあると助言する。
(画像はプレスリリースより)

Yale University
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