イリエワニの精子により男性不妊の原因解明へ
クイーンズランド大学農学部(オーストラリア)とニューカッスル大学(オーストラリア)のステファン・ジョンストン(Stephen Johnston)助教授は、イリエワニの精子分析により男性不妊の原因が解明できる可能性があると発表した。
研究に先立ち、イリエワニの精子とヒトの精子において類似性が認められたという。研究チームは、イリエワニの精子が、ヒトの精子と同様に、精巣外でも生育し続けることを発見した。
イリエワニの精子とヒトの精子
イリエワニの精子とヒトの精子における類似性の発見は、人間の生殖能力、イリエワニの保護に対して重要な意味を持つという。
専門家らは、イリエワニの精子を分析調査することで、ヒトの精子タンパク質を解明できると考えている。精子タンパク質が活性化すると、精子の運動率や卵子の受精率は高まるといわれる。
イリエワニの生殖について
イリエワニ(英名:ソルトウォーター・クロコダイル)の繁殖習性や性別は、気候の影響を受ける。巣内の気温が32~33度である場合にはオスが生まれ、精子運動率も高まると分かっている。一方、巣内が32~33度以上・以下の場合にはメスが生まれる傾向にあるという。
また、現在、イリエワニは危急種(絶滅の危険性が高いと判断された種)、絶滅危惧種(現存している個体数が減少し、絶滅の危険性が極めて高いと判断された種)に指定されている。
専門家らは、研究を通して種の存続を危ぶませる気候変動に対処できるようになり、イリエワニの飼育下繁殖問題を解決に導くだろうと述べている。
(画像はイメージです)

THE UNIVERSITY OF QUEENSLAND
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