マリファナにより精子の生産を調整
ローマ大学トルベルガータ校医学部のパオラ・グリマルディ(Paola Grimaldi)教授が率いる研究チームは、カンナビノイド受容体(CB2受容体)に精子の生産を調整する作用があると発表した。
なお、カンナビノイドとは、マリファナの原料である大麻に含まれる化学物質である。
また、マリファナは男性の生殖機能を乱し、不妊を引き起こす要因になるが、一方、男性不妊の治療方法にもなると提言されている。報告書は「The FASEB Journal」に掲載された(2016年4月掲載)。
これまで、カンナビス(大麻)の使用により、DNA結合タンパク質の精子クロマチン(胚の発生に関連する遺伝子をパッケージングする)、生殖機能、胚の発育は悪影響を受けると言われてきた。
マウスによる実験
グリマルディ教授が率いる研究チームは、マリファナの効能と精子形成の関連性を調べる目的で、マウスを用いた実験を行った。
14日から21日間、実験群の2グループのマウスに対して異なる物質(CB2受容体の活性剤、CB2受容体の抑制剤)、対照群の1グループには食塩水を与えた。
実験結果より、CB2受容体の活性剤を与えたグループでは精子形成が促進され、CB2受容体の抑制剤を与えたグループは精子形成率が下がったという。
「The FASEB Journal」の編集局長は、精子形成における内因的カンナビノイドの効能は化学物質により刺激され、男性不妊の新しい治療法として期待されると述べている。
(画像はイメージです)

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