原因不明の不妊治療
研究者らは、不妊の原因が特定できない場合、一般的な不妊治療薬「クロミフェン」(排卵誘発剤)を用いたほうが、代替治療薬「レトロゾール」より出生率が高くなると発見した。
原因不明の不妊に悩む男女は、大概、健康面での問題はない。月経サイクルは周期的であり、精子数・質も正常である。生殖機能に問題はないものの、なかなか妊娠に至らないという。
不妊治療薬の効果を比較
国立小児保健発達研究所などにて、18歳から40歳までの女性900人を対象に、不妊治療薬による妊娠率などの比較試験が実施された。(不妊治療薬:クロミフェン301人、レトロゾール299人、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)301人)
「クロミフェン」を投薬した女性の妊娠率は35.7%、一方、「レトロゾール」を投薬した女性の妊娠率は28.4%であった。また、「レトロゾール」や「ゴナドトロピン」と比べ、「クロミフェン」のほうが多胎妊娠率は低くなったと報告された。
研究者らは「レトロゾール」は多胎妊娠の可能性が低く、不妊治療薬として有益であると考えていたが、臨床試験結果より、不妊の原因が特定できない場合は「クロミフェン」が第一選択薬になると分かった。
クロミフェンの治療効果
「クロミフェン」は卵巣を刺激して排卵する卵子数を増やし、妊娠の可能性を高めるという。また、子宮内膜のホルモンを整え、受精卵の着床を促すという。
しかしながら、一方で、排卵誘発により卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は重症化し、卵子の数が増えることで多胎児を妊娠しやすくなる。多胎妊娠は早期分娩のリスクが高まると言われている。
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