凍結卵子の体外受精成功率
ダルハウジー大学のアンヘル・ペトロパナゴス(Angel Petropanagos)氏は「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル」に、30歳以前に卵子を凍結保存した女性において凍結卵子を用いた体外受精の成功率は12%以下であったとの分析結果を掲載した。
また、将来の妊娠に備えて卵子の質が低下する前に卵子を凍結保存した場合であっても、凍結保存中に卵子の質は低下すると述べている。
凍結卵子を用いた体外受精は、多大な労力や高額な費用を負担する割に成功率はさほど高くなく、30歳半ば以降に卵子を凍結保存することは勧められないとの見解を示している。
卵子凍結保存の増加
近年では、癌の治療など医療的な理由からキャリアアップなどのために妊娠時期を遅らせる目的まで、卵子の凍結保存を選択する女性が少なくない。過去3年で、卵子の凍結保存を行う女性が急増したという。
米国生殖医学会(ASRM)と生殖補助技術(SART)の統計によると、卵子の凍結・解凍による生存率は90~97%、受精率は71~79%、受精卵移植の着床率は17~41%と見積もられている。30歳以前に卵子を凍結保存した場合、凍結卵子を用いた体外受精の成功率は4.5~12%であるという。
また、凍結卵子を含め体外受精による妊娠では、多胎児・未熟児・低体重児の出生率が増加する。
ペトロパナゴス氏は、医療的な理由を除き、医師は患者に対して、希望時に凍結卵子を用いて体外受精を行うことは医療的リスクが高いと説明すべきだとしている。
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Empire State Tribune
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