着床前診断が限定的に可能に
スイスでは、着床前診断の可否について国民投票が行われ、有権者のうち約62%(61.9%)が着床前診断に対して賛成票を入れたと報じられた。
これにより、着床前診断が限定的に可能となる。自然妊娠の可能性がない、母親あるいは父親が遺伝子疾患の要因となる遺伝子を持つ場合のみ、受精卵移植前に着床前診断を受けることが認められるという。
着床前診断では受精卵が持つ遺伝子欠陥や遺伝子疾患を発見でき、体外受精による妊娠率は高まると期待できる。また、着床前診断後は受精卵を凍結保存し、将来の妊娠に備えることも可能であるという。
なお、現在のスイス憲法では、遺伝子スクリーニングは妊娠初期(9~12週目)のみ認められている。遺伝子欠陥が発見された場合、12週目までは中絶を選択することができるという。
着床前診断に対する賛成派
アラン・バルセット(Alain Berset)内務大臣は投票結果について賛成の意を示し、複雑な問題について公開討論を行う契機となると述べている。また、バルセット氏は、憲法改正により行き過ぎた「デザイン・ベビー」は禁止されると考えている。
キリスト教民主党のルース・ハンブル(Ruth Humbel)氏は、結果は国民が最先端医療を利用したいという意見の表れだと考えている。
着床前診断に対する反対派
一方、障害者支援組織「AGILE」のスザンヌ・アウエル(Suzanne Auer)氏は、今回の結果について否定的であるが、予測はできていたと述べている。技術面だけでなく、倫理面の問題であるので、非常に複雑であるという。
(画像はプレスリリースより)

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