着床前診断(PGD)の現状
着床前診断(PGD)は、体外受精における胚(受精卵)の染色体異常や遺伝子突然変異を発見する目的で用いられている。しかしながら、胚(受精卵)の形成過程では、突然変異と類似した遺伝子増幅が起こる。
現状、胚(受精卵)のゲノムを包括的に解析し、先天性異常を引き起こす突然変異などを発見することは難しい。
先天性異常の要因「デノボ突然変異」
Complete Genomics社、Reprogenetic社、NYUファシリティセンターでは、人間の胚(受精卵)から細胞・組織の一部を採取し、シーククエンス解析を行った。
解析の結果、先天性異常を引き起こす突然変異「デノボ突然変異(de novo mutations)」の発見に成功した。「デノボ突然変異」は両親から遺伝的に受け継ぐものではなく、卵子あるいは精子において新しく発生する変異である。
この種の突然変異は、知的障害、自閉症、てんかん症脳症などの要因と考えられている。
また、研究者らは新しい診断方法となるロングフラグメントリード技術(LFR)を考案した。ロングフラグメントリード技術(LFR)では、初回のPGD試験において82%のデノボ突然変異を発見でき、シークエンス精度は非常に良い。
今後の課題
両親はそれぞれ少なくとも100以上のデノボ突然変異を保持するが、一方で、これらの変異により子供が先天性異常や病気を発症する確率は極めて低い。今のところ、突然変異遺伝子を持って産まれた子供の健康結果は分からないという。
しかしながら、LFR技術は期待できる診断方法だと言える。
(画像はイメージです)

Medical press
http://medicalxpress.com/news/Complete Genomics
http://www.completegenomics.com/Reprogenetic
http://reprogenetics.com/