卵細胞質内精子注入法の体外受精成功率
アメリカ疾病予防管理センターのシェリー・L・ブレ氏(Sheree L. Boulet)ら研究チームは、卵細胞質内精子注入法(ICSI)は従来の治療法より僅かながら体外受精成功率が高いと発表した。
研究チームによると、不妊要因が男性側にある場合、体外受精成功率は従来の治療法と大差ないという。
一方、不妊要因が男性側にない場合(女性側に不妊要因があるなど)、着床率は従来の治療法よりも僅かながら上がり、多胎出生率は下がり、結果的に体外受精成功率は高くなると報告された。
卵細胞質内精子注入法とは
これまでの体外受精では、複数の卵子に対して受精を行い、最良の受精卵を子宮移植していた。卵細胞質内精子注入法では、従来の治療法とは異なり、体外受精に使用する精子を1つ選び出し、卵子に注入する。
この治療法では、精子生産量が少ない、精子運動率が低い、正常な形態の精子が少ないなど精子に異常がある男性や不妊症の男性の精子を使用して体外受精を行うことができる。また、ブレ氏によると凍結精子や凍結卵子を使用することも可能であるという。
卵細胞質内精子注入法の可能性
卵細胞質内精子注入法は体外受精の全サイクルにて実施でき、従来の体外受精法にて妊娠に至らないカップルに対して希望を与える。
しかしながら、ブレ氏ら研究チームは、今回の研究結果は限定的な分析結果であり、卵細胞質内精子注入法により体外受精成功率が劇的に改善することはないと述べている。
(画像はイメージです) Photo:
by Iqbal Osman
Healio
http://www.healio.com/internal-medicine/ICSI
http://www.hfea.gov.uk/ICSI.htmlMNT
http://www.medicalnewstoday.com/articles/288225.php