ナチュラルキラー細胞の働き
シンシナティ大学シンシナティ・チルドレンズの研究チームは、「Science Immunology」(8月2日発行)にて、繁殖用マウスを用いた動物モデル実験を通して、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)に子癇前症を防ぐ効果があると発表した。
ナチュラルキラー細胞には子癇前症を防ぐ働きがあり、子癇前症の進行は直ちに直ちに阻止されるという。
偶然の発見
今回、合わせて、胎盤癒着リスクと遺伝子突然変異における驚くべき関係性が確認され、遺伝子突然変異により、ナチュラルキラー細胞の健全な形成が妨げられることが判明した。ナチュラルキラー細胞は白血球の一種であり、身体の癌腫瘍や感染症などに対する攻撃に効果的に働く。
繁殖用マウスを用いた動物モデル実験を通して、異常に高い頻度で繁殖するマウスは、妊娠が成立しなかった。妊娠が成立しないマウスは胎盤遺産があり、ナチュラルキラー細胞が少なく、タンパク質「Gab3」の突然変異が認められた。
タンパク質「Gab3」の突然変異により、子宮にてナチュラルキラー細胞は発現できず、胚の成長や子宮への着床を阻む。
論文の共著者であるヘレン・ジョーンズ(Helen Jones)氏は、今後の研究により、胎盤が癒着している女性において、ナチュラルキラー細胞が誤作動していると立証された場合、将来的に、過剰な子宮癒着の阻止、子宮摘出リスクの軽減が期待できると述べる。
(画像はPixabayより)

Science Immunology
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