聴き取る力の発達
ウィーン医科大学とウィーン総合病院の研究チームは、母親の胎内にいる時期より胎児脳の言語分野は発達し、語音弁別(言葉を1音ずつ聴き取る)が可能であると発表した。
言語を認識し、処理する脳領域は、成長の初期段階から特化し始めている。満期産の新生児は、誕生直後から言語音と非言語音を語音弁別できるという。
語音弁別と脳の言語野における発達
研究チームは、赤ちゃんを対象に、機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて初期の脳活動を測定した。大脳皮質の酸素化や言語認識を含めて測定したところ、早産児は、満期産の子供と比べ、言語音と非言語音を語音弁別できず、脳の言語野は特化していなかった。
一方、満期産の新生児は、誕生直後から言語音と非言語音の語音弁別が可能であった。
言語は、主に脳の左半球にある前頭葉および側頭葉によって制御されているといわれる。胎児の聴覚器は、妊娠後期の段階にて既に機能し、脳の言語野における特化は、初期段階から認められた。
子供は、在胎期に母親の子宮に居ながらにして、初めて言語音を聴き、語音弁別を習得する。羊水や母体のバックグラウンドノイズを介して言語音を自然にフィルタリングするが、語音弁別の習得を促す。
特に、出産の数週間前は、子供の言語発達における第一段階として非常に重要な時期であり、子供の言語習得に大きな影響を与える。
(画像はプレスリリースより)

MedUni Vienna
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