妊娠糖尿病の危険性
マサチューセッツ大学の研究チームは、「Environment International」にて、妊娠期の母親が妊娠糖尿病である場合、母から子へ胎盤を介して引き継がれるパーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)が増量すると発表した。
PFASは有害な合成化学物質であり、健康を脅かす。1950年以降、焦げ付き防止の調理器具、食品パッケージ、防汚材料、防水材などに使用されている。
妊娠糖尿病とPFAS化合物の関係性
研究チームは、フェロー諸島在住の母子を対象に、血液と臍帯(へその緒)を採取し、妊娠糖尿病とPFAS化合物の関係性を検証した。
血液サンプルは、ソルボンヌ大学(フランス・パリ)、南デンマーク大学、フェロー病院、ハーバード大学にて分析が行われた。また、研究には、出生調査「Cohort 3」(1999~2001年、子供100人対象)と 「Cohort 5」(2008~2009年、子供51人) よりデータを活用した。
母親のPFAS量は、妊娠32週および産後2週間に採取した血液サンプルより測定された。現在、PFAS化合物は使用されていないが、複数のPFAS化合物は、異なる化学的・物理的性質として母子の身体内にて検出された。
なかでも、妊娠糖尿病の女性は、胎児へ引き継ぐPFAS量が増加し、平均して最大50%増となった。同大学のヨセフ・オウルホート(Youssef Oulhote)准教授は、糖尿病により物質の動態や代謝が変わり、母から子へ引き継がれるPFAS化合物が増量すると推測する。
(画像はPixabayより)

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