出生前検査に対する肯定的姿勢
ノースウェスタン大学とニューヨーク大学ランゴーン生殖センターは、「Human Reproduction」(6月21日)にて、不妊治療患者のうち94%が、染色体異常の有無に関わらず、胚(受精卵)の出生前検査結果を知りたいと回答したと発表した。
体外受精において胚移植の成功可能性を高めるには、遺伝子検査にて胚の正常性を確認するのが最も効率的な方法である。44歳に達すると大半の胚に異常が認めらえるといわれるが、社会は倫理的に体外受精の遺伝子検査は受け入れない。
また、通常、胚移植を含む体外受精では、患者に対して、胚の着床率や妊娠率は伝えられずに実施される。
体外受精に伴う胚の染色体異常スクリーニング検査後に患者が抱く後悔・不安リスクに関する調査
今回、研究チームは、2014年1月から2015年3月に掛けて、ニューヨーク大学ランゴーン生殖センターにて染色体異常スクリーニング検査後の患者69人を対象に匿名性のインターネット調査を実施した。
初の試みとして、体外受精に伴う胚の染色体異常スクリーニング検査後に患者が抱く後悔・不安リスクを調査したところ、大半の女性は、妊活に価値がある情報であるため、たとえ否定的な情報であっても出生前検査結果に関する情報開示を希望していることが判明した。
妊娠・出産には年齢的な限界があり、特に、高年齢の女性は、出生前検査の結果より、胚移植の実施有無を決めたいという。胚移植から妊娠テスト実施までは時間を要するが、限りある期間において、敢えて妊娠可能性の低い胚を用いた体外受精を行う必要はないという。
(画像はPixabayより)

Human Reproduction
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