顕微授精より体外受精が増加傾向
6月25日、ヨーロッパIVFモニタリング・コンソーシアム議長のクリスティアン・デ・ジェーテル(Christian de Geyter)博士は、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)の「第35回ESHRE会議」(6月23~26日、オーストリア・ウィーンで開催)にて、ヨーロッパの体外受精および顕微授精の成功率はピークに達したと発表した。
2016年データ(不妊治療80万サイクル以上)の分析より、ヨーロッパの不妊治療において体外受精の累積使用が増加していることが認められた。体外受精および顕微授精の成功率はピークに達し、妊娠率は体外受精が27.1%、顕微授精では24.3%と算出された。
妊娠率は僅かに減少しているが、近年、顕微授精より体外受精を選択する傾向にあり、体外受精は顕微授精の件数を上回り続けている。一方、ヨーロッパでは、依然として顕微授精を好む医療機関も少なくないと報告された。
凍結胚による体外受精の増加
体外受精において、凍結胚を用いたサイクル数、妊娠率が増加傾向にある。2016年の妊娠率は30.5%であり、 2015年と比べて1.3%増となった。
ヨーロッパでは、2015年以降、凍結胚の胚移植件数が増加している。ESHREによると、凍結胚移植を行う医療機関が増え、ヨーロッパにて実施された体外受精サイクルのうち、約半数は凍結胚を用いているという。
また、多数の医療機関は、凍結胚移植の場合、原則、単一胚移植を行い、残りの卵子の凍結保存を推奨するため、凍結胚を用いた体外受精の増加に繋がる。
ヨーロッパにおける生殖補助医療の現状
ヨーロッパにおいて、スペインは最も生殖補助医療が盛んである。体外受精サイクル数は、スペインに次いでロシア、フランス、ドイツとなる。
デ・ジェーテル博士は、第三者による卵子提供、凍結胚保存は増加傾向にあり、体外受精の成功率は安定していると述べる。
一方、ヨーロッパでは、国ごとに不妊治療のばらつきはあると指摘する。例えば、デンマーク、ベルギーでは、人口100万に対して体外受精2500サイクル以上の割合となるが、オーストリア、イタリアは割合を下回ると考えられる。
(画像はPixabayより)

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