環境汚染物質の曝露による影響
リエージュ大学の研究チームは、「第21回欧州内分泌学会議(ECE 2019)」(5月18~21日、フランス・リヨンで開催)にて、環境汚染物質への曝露が脳発達を変化させ、世代を超えて性的発達や生殖能力に影響を与えると発表した。
環境汚染物質の危険性
我々は、日常生活において、プラスチック製品、農薬、医薬品など数百種類もの環境汚染物質に晒されている。
内分泌攪乱化学物質は、ホルモンの正常機能を妨げる。不妊との因果関係が認められ、性的発達を変化させる。
環境汚染物質と性的発達における関係性
研究チームは、マウスを用いた動物モデル実験を行い、環境汚染物質と性的発達における関係性を検証した。
3世代に亘る性的発達を観察したところ、妊娠期に母マウスが内分泌攪乱化学物質(EDC)などの環境汚染物質に曝された場合、誕生した子マウスは性的発達や母性行動が阻まれた。
子や孫は、直接的に内分泌攪乱化学物質の曝露は受けず、母から間接的に曝された。しかしながら、影響は母から子、子から孫へと世代を超えて確認された。
子や孫は、直接、内分泌攪乱化学物質の曝露を受けていないものの、脳の遺伝子発現が変わり、性的発達は遅れ、生殖サイクルや卵巣の卵胞発育が変化した。また、母性行動も欠如していた。
現状、環境内の内分泌攪乱化学物質(EDC)量は、長期に亘って影響を与えることが認められた。早急な環境汚染物質の削減が求められる。
(画像はプレスリリースより)

LIEGE universite GIGA
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