ハイリスク妊娠の予測
4月8日、ワイルコーネル大学医学部とアメリカ最高の整形外科専門病院HSS(Hospital for special surgery)の研究チームは、「Journal of Experimental Medicine」にて、ハイリスク妊娠の場合、低リスク妊娠と比べ、妊娠初期における免疫システムの遺伝子変化が異なると発表した。
妊娠初期の遺伝子より、妊娠高血圧症候群・子癇前症、流産などの母体のリスクを予測可能になると報告されている。
ハイリスク妊娠と低リスク妊娠
低リスク妊娠である場合、妊娠初期に、免疫遺伝子の活性において顕著な変化が始まるという。一方、慢性自己免疫疾患「ループス」の女性はハイリスク妊娠になる傾向にあり、母体のリスクは高くなる。
慢性自己免疫疾患では、免疫システムが自己抗体を作り出し、健康な細胞・組織を攻撃する。ループスの症状は、皮膚、心臓、腎臓などの臓器と多岐にわたり、合併症も引き起こす。また、ループスのうち、約20%は流産、早産、死産、子癇前症を含むハイリスク妊娠になるといわれる。
ハイリスク妊娠と免疫システムの遺伝子変化
研究チームは、2003年以降、ループスの女性と健康な女性700人以上を対象に、妊娠期における免疫システムについて検証した。
血液検査や臨床データを分析したところ、ループスの女性では、妊娠期における免疫システムの変化が類似していることが認められた。研究チームは、妊娠初期の免疫システムがハイリスク妊娠の予測因子となり、要因を特定できると期待する。
(画像はプレスリリースより)

Weill Cornell Medicine
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