妊娠期のアレルゲン曝露による影響
オハイオ州立大学の研究チームは、「Scientific Reports」にて、マウスを用いた動物モデル実験より、妊娠期のアレルゲン曝露が子供の性的発達に大きな影響を与え、変化させると発表した。
妊娠期の母親がアレルゲンに曝露し、誕生した子マウスが雌である場合、脳や神経システムは典型的な男性脳となった。行動・振る舞いはより男性的になる傾向にあり、例えば、他の雌を繁殖対象とみなした。一方、雄の子マウスは女性的な特徴が強くなった。
しかしながら、アレルゲン曝露による外見上の変化は認められなかった。
免疫システムと脳
先行研究では、ストレス、感染症、栄養不良などによる免疫システムの低下が脳の発達を変えると報告された。
視索前野(性的行動に関与する脳の視床下部にある領域)における免疫担当細胞のミクログリアと顆粒細胞(マスト細胞)に変化が認められた。
妊娠期のアレルゲン曝露と子供の性的発達
今回、研究チームは、マウスを用いた動物モデル実験を行い、妊娠期のアレルゲン曝露と子供の性的発達における関係性を検証した。
妊娠期の母マウスがアレルゲン反応を起こした場合、雌の子マウスは行動・振る舞いが男性的になった。脳のミクログリアとマスト細胞が増え、シナプスが変化して男性脳に類似した。
一方、雄の子マウスは、行動・振る舞いが非男性的になり、性的欲求は減退した。ミクログリアの活性化は阻まれ、シナプスは少なかった。
例えば、自閉症では性の不一致、性的自己同一の相違が増すといわれるが、性的発達に関わる変化・相違であると推測できる。
(画像はプレスリリースより)

THE OHIO STATE UNIVERSITY
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