精原幹細胞の解明を
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究チームは、「Cell Reports」にて、最先端技術シングルセルRNAシーケンスを用いて、より正確な精原幹細胞が作製でき、精子の形成過程を解明できると発表した。また、幹細胞を分離させるツールの開発に成功した。
精子は精原細胞より形成されるが、1秒間に生産される精子数は1000個以上である。しかしながら、ヒト精原細胞に関する研究は少ない。
不妊治療の発展に向けて
マイルス・ウィルキンソン(Miles Wilkinson)教授は、シングルセルRNAシーケンスがシングルセル(単一細胞)のゲノムにおけるヒト遺伝子の活動を明らかにすると説明する。細胞タイプによって活性遺伝子の組み合わせは異なるが、シングルセルRNAシーケンスにて新たな細胞タイプが特定できるという。
今回、研究チームが、ヒト精巣に対してシングルセルRNAシーケンスを用いたところ、精巣の精子前駆細胞において複数の異なる成長段階が解明された。
成人の場合、精原幹細胞を含めて、精巣にある細胞サブタイプの特定に至った。また、新生児の精原幹細胞がもつ特徴が判明した。
精原幹細胞から精細胞への成長過程が解明されることによって、男性不妊の治療法が発展すると期待される。
(画像はプレスリリースより)

UC San Diego
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