スマートフォンと女性不妊
トロント大学の研究チームは、「Environment International」にて、スマートフォン使用時に手の平を介して有害化学物質にさらされ、女性不妊リスクを高めると発表した。
今回の研究により、初めて、携帯型電子機器であるスマートフォンがリン酸エステルの曝露元になると認められた。リン酸エステルは、難燃剤・可塑剤に含まれる。
難燃剤・可塑剤は、ポリ塩化ビニルなどの柔軟性・耐久性を高める。それゆえ、スマートフォンには難燃剤・可塑剤が使用される。
リン酸エステルの曝露元
研究チームは、カナダ人女性(18~44歳)を対象に、スマートフォンと化学物質の曝露における関係性を検証した。尿検査と手の検査にて有害化学物質量を測定したところ、体内と手よりリン酸エステルが検出された。
また、スマートフォン、タブレット端末など携帯型電子機器は、デスクトップ型パソコン、テレビなど非携帯型電子機器と比べ、難燃剤・可塑剤の含有量が高いことが認められた。
同大学のミリアム・ダイヤモンド(Miriam Diamond)教授は、難燃剤・可塑剤には神経毒性があり、生殖能力の低下、甲状腺機能の異常を引き起こす要因になると述べ、未解明の部分も多いが、スマートフォンは化学物質の源であり、曝露元になると結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OF TORONTO
https://www.utoronto.ca/